「親のスマホ代が高い。格安SIMに変えたいけれど、高齢の親に格安SIMは難しくないだろうか」——そう悩む人は少なくありません。
先に結論をお伝えすると、親の典型的な使い方(通話が中心で、データはあまり使わない)なら、大手キャリアの初心者向けプランより格安SIMのほうが確実に安くなります。しかも、選び方さえ間違えなければ、親にとって使い勝手が悪くなることもありません。
ただし注意点があります。大手キャリアの「初心者向けプラン」は、現在かなり条件が厳しくなっています。 ドコモの「はじめてスマホプラン」は他社3G回線からの乗り換え限定で、FOMAが2026年3月31日に終了した今、多くの人はもう対象になりません。
本記事では、現行の大手プランと格安SIMを実額で比較し、親に選ぶときの基準を整理します。
本記事は各社の公式発表の料金に基づく比較です。料金・提供条件は変動するため、最終判断の前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。
まず結論:親のスマホはこう選ぶ
通話が中心でデータをあまり使わないなら
HISモバイルが有力です。3GBで月770円、しかも通話料が9円/30秒と最安クラスで、専用アプリが不要です。親が標準の電話アプリからそのままかけても安くなります。
とにかく維持費を最優先するなら
日本通信SIMが最有力です。1GBで月290円。超過しても1GBあたり220円で追加できます。
店舗で相談できる安心感が欲しいなら
mineoが候補になります。料金は上記2社より高めですが、全国に店舗があり対面で相談できるのは、高齢の親には大きな安心材料です。
3つの質問で判断できます
- 親は通話をよくしますか? → はいならHISモバイル(9円/30秒・アプリ不要)
- とにかく維持費を下げたいですか? → はいなら日本通信SIM(1GB 290円)
- 設定やトラブル時に店舗で相談したいですか? → はいならmineo
大手キャリアの「初心者向けプラン」の現状
親のスマホというと、まず大手キャリアの初心者向け・シニア向けプランが思い浮かびます。しかし現状を正確に把握しておく必要があります。
ドコモ「はじめてスマホプラン」は対象が限定的
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月額 | 1,980円(1GB・5分かけ放題込み) |
| 割引後 | 最初の12か月 1,078円/13か月目以降 1,628円 |
| 対象 | 他社3G回線からの乗りかえ(MNP)またはFOMAからの契約変更のみ |
注意すべきは対象条件です。 このプランは「他社の3G回線からの乗り換え」が前提で、FOMAからの契約変更は2026年3月31日までの申し込みが必要でした。すでに親が4Gのスマホを使っている場合や、他社の4G回線から乗り換える場合は対象外です。
「親向けの安いプランがあるはず」と思って調べても、実際には自分の親が対象にならないケースが多いのが実情です。
現行の小容量プランは「ドコモmini」
2025年6月から提供されている「ドコモmini」が、現在の小容量向けの選択肢です。
| プラン | 月額 | データ容量 |
|---|---|---|
| ドコモmini 4GB | 2,750円 | 4GB(2026年8月からのキャンペーンで6GBに増量中) |
| ドコモmini 10GB | 3,850円 | 10GB(同12GBに増量中) |
各種割引をすべて適用すれば4GBプランが月880円まで下がる場合もありますが、割引には光回線やクレジットカードなどの条件が付きます。条件を満たさない場合は2,750円が基本になります。
実額比較:親の使い方に合わせるといくらになるか
親の典型的な使い方を「月3GB程度・通話は月30分ほど」と想定して比較します。
| 選択肢 | 月額(データ) | 通話料 | 30分通話時の合計 |
|---|---|---|---|
| ドコモmini 4GB | 2,750円 | 22円/30秒 | 2,750円+通話料 |
| HISモバイル 3GB | 770円 | 9円/30秒(アプリ不要) | 約1,310円 |
| 日本通信SIM(3GB相当) | 730円 | 11円/30秒 | 約1,390円 |
| mineo 3GB | 1,298円 | 22円/30秒 | 約2,618円 |
※通話30分=1,800秒。HISモバイルは9円×60=540円、日本通信SIMは11円×60=660円、22円/30秒の場合は22円×60=1,320円で計算。
HISモバイルなら、ドコモminiと比べて月1,400円以上、年間で約17,000円安くなります。 割引をすべて適用したドコモmini(880円)と比べても、通話料の差でHISモバイルのほうが安く収まる可能性があります。
親は通話が多い傾向があるため、データ料金だけでなく通話料まで含めて比べることが重要です。
親のスマホ選びで、料金以上に大事な3つの基準
安さだけで選ぶと失敗します。親に持たせる場合は、次の3点を必ず確認してください。
①「専用アプリ不要」で通話が安いか
格安SIMの多くは、専用の通話アプリを経由しないと通話料が半額にならない仕組みです。しかし高齢の親が「電話をかけるときは必ずこのアプリを開く」というルールを守り続けるのは、現実的に難しい場面があります。うっかり標準の電話アプリからかけて、通話料が倍になる事故が起こりがちです。
HISモバイル(9円/30秒)と日本通信SIM(11円/30秒)は、標準の電話アプリからそのまま安くなります。 この点は親向けでは決定的に重要です。
②トッピングや容量の管理が不要か
povoのような「基本0円+必要なときにトッピングを購入する」タイプは維持費が非常に安いのですが、親自身がトッピングを買う操作を継続できるかが問題になります。子が遠隔で管理し続ける覚悟がないなら、月額固定のプランのほうが確実です。
③困ったときに相談できる窓口があるか
HISモバイルや日本通信SIMはオンライン中心です。「設定でつまずいたら店舗に行きたい」という場合は、店舗のあるmineoが選択肢になります。 料金は上がりますが、サポートの安心感を優先する判断も十分に合理的です。
契約の名義をどうするか
親のスマホを子が手配する場合、名義をどうするかは事前に決めておくべきポイントです。
- 親名義のまま乗り換える:親本人の本人確認書類と同意が必要です。支払いを子のクレジットカードにできるかは会社によって異なります。
- 子名義に変更する:子が契約者になれば管理や支払いはしやすくなりますが、名義変更(譲渡)の手続きが必要で、対応可否や手数料は会社ごとに違います。
どちらの場合も、契約者本人の同意と本人確認書類は必須です。「親に代わって勝手に契約する」ことはできません。手続きの詳細は各社で異なるため、申し込み前に公式サイトで確認してください。
遠隔でサポートする場合の注意点
親と離れて暮らしている場合、移行作業を遠隔で進めることになります。実際にやってみると想像以上に手間がかかるため、次の点を事前に想定しておくと安心です。
- SIMの差し替えやAPN設定を、電話越しの口頭説明で完了させるのは難しい場面があります。帰省のタイミングに合わせるのが現実的です。
- eSIMは物理SIMの差し替えが不要な一方、初期設定はより複雑になる場合があります。親の端末が対応しているか、どちらが簡単かを事前に検討してください。
- 開通後の動作確認(電話の発着信、SMS受信)は必ず一緒に行ってください。特に緊急時の連絡手段になるため、確実に使える状態にしてから完了とすべきです。
よくある質問(FAQ)
Q1. 親のスマホは大手キャリアの初心者向けプランのほうが安いのでは? 多くの場合そうではありません。ドコモの「はじめてスマホプラン」は他社3G回線からの乗り換え限定で対象が狭く、現行の「ドコモmini」は4GBで2,750円です。格安SIM(HISモバイル3GB 770円など)のほうが実額では安くなります。
Q2. 高齢の親に格安SIMは難しくないですか? 選び方次第です。専用アプリを使わずに通話が安くなる会社(HISモバイル・日本通信SIM)を選び、トッピング管理が不要な月額固定プランにすれば、使い勝手は大手キャリアとほとんど変わりません。
Q3. 通話が多い親にはどれがおすすめですか? HISモバイルです。通話料が9円/30秒と最安クラスで、しかも専用アプリが不要なため、親が標準の電話アプリからかけてもそのまま安くなります。
Q4. 店舗で相談できる格安SIMはありますか? mineoは全国に店舗があり、対面での相談ができます。HISモバイルや日本通信SIMはオンライン中心のため、サポートの安心感を優先するならmineoが候補になります。
Q5. 契約の名義は親のままでも大丈夫ですか? 可能です。ただし親本人の本人確認書類と同意が必要になります。支払い方法を子のクレジットカードにできるかは会社によって異なるため、事前に確認してください。
Q6. povoのような0円運用は親には向きますか? あまり向きません。維持費は最安(年500円ほど)ですが、有料トッピングを定期的に購入する必要があり、親自身での管理は負担になりがちです。子が遠隔で管理し続けられる場合を除き、月額固定のプランをおすすめします。
まとめ
親のスマホは、大手キャリアの初心者向けプランより格安SIMのほうが安くなるケースがほとんどです。
- HISモバイルがおすすめ:通話が多い親/3GB 770円で通話も9円/30秒・アプリ不要
- 日本通信SIMがおすすめ:維持費を最優先したい/1GB 290円
- mineoがおすすめ:店舗で相談できる安心感を重視する
- 選ぶ基準:料金だけでなく「専用アプリ不要か」「容量管理が不要か」「相談窓口があるか」を確認する
料金・提供条件は変動するため、最終確認はHISモバイル公式サイト・日本通信SIM公式サイト・mineo公式サイトで行ってください。
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