「家族割があるから、格安SIMに乗り換えられない」——そう思っている人は少なくありません。しかし実際には、家族割の割引額(1回線あたり1,100円前後)より、格安SIMの基本料金の安さのほうが大きいケースがほとんどです。

さらに一歩進めると、「家族割対応の格安SIM1社にまとめる」より、家族一人ひとりの使用量に合わせて会社をバラバラに選んだほうが、さらに安くなることも多くあります。よく使う人は大容量が得意な会社、あまり使わない人は基本料が最安の会社、というように最適化できるためです。

本記事では、実際に4人家族を想定して、大手キャリアの家族割・格安SIM1社への統一・完全バラバラの3パターンを実額でシミュレーションします。

本記事は各社の公式発表の料金に基づく試算です。料金・キャンペーンは変動するため、最終判断の前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。

まず結論:バラバラにすると年いくら安くなるか

4人家族(父・母・高校生・中学生)の月額比較

パターン 月額(4人合計) 年間
大手キャリア+家族割 約15,750円 約189,000円
格安SIM1社に統一(家族割あり) 約8,712円 約104,544円
一人ひとり最適化(バラバラ) 約6,300円前後 約75,600円前後

※大手キャリアは平均5,150円/人から家族割(1人あたり約1,210円引き)を差し引いた金額、格安SIM1社統一はUQモバイル・ワイモバイルなど家族割対応会社の目安額。バラバラの内訳は後述のシミュレーション参照。

大手キャリアの家族割と比べて、バラバラ最適化は年間10万円以上安くなる可能性があります。 格安SIM1社への統一と比べても、さらに年3万円ほど安くなる計算です。

なぜバラバラのほうが安くなるのか

家族割の割引額より、基本料金の差のほうが大きい

大手キャリアの家族割は1回線あたり1,100〜1,210円程度の割引です。一方、格安SIMは基本料金自体が大手キャリアより月3,000〜5,000円安いため、家族割がなくても十分に元が取れます。

「1社に統一」だと、使わない人が損をする

UQモバイルやワイモバイルのような家族割対応の格安SIMに統一する方法も有力ですが、全員が同じようなプランを選ぶことになりがちです。あまり使わない人がその会社の標準プランに合わせると、実は最安ではない場合があります。

一人ひとりの使用量に合わせて会社ごと変えれば、それぞれが「自分にとっての最安」を選べます。 これがバラバラ運用の最大のメリットです。

実額シミュレーション:4人家族をバラバラに最適化する

実際のペルソナで考えてみます。

お父さん:通勤中に動画をよく見る(月25〜30GB)

**IIJmio 25GB(2,000円)**が有力です。IIJmioは2〜55GBの8段階から選べ、25GB以内なら他社より明確に安くなります。

お母さん:LINEとWeb検索が中心(月3GB以内)

**日本通信SIM 1GB(290円)**が最有力です。超過しても1GBあたり220円で追加でき、3GB程度なら730円ほどで収まります。

高校生:動画・SNSを無制限に近い感覚で使いたい

**楽天モバイル(3,278円で無制限)**が向いています。データ量を気にせず使わせたい場合、上限が決まっている選択肢は不安が残ります。

中学生:ほぼ自宅Wi-Fiで、電話番号だけあれば十分

**povo(年500円)**が最有力です。基本料0円で、180日ルールの最新の最安トッピング(6時間250円を半年に1回)を買うだけで維持できます。

合計

家族 選んだ会社 月額
お父さん IIJmio 25GB 2,000円
お母さん 日本通信SIM(3GB相当) 730円
高校生 楽天モバイル(無制限) 3,278円
中学生 povo(維持のみ) 約42円
合計 約6,050円

大手キャリアの家族割適用後(約15,750円)と比べると、月9,700円・年間116,400円の差になります。

注意点:バラバラにすると失うもの

良いことばかりではありません。実際に乗り換える前に、次の点は必ず確認してください。

家族間通話24時間無料が使えなくなることが多い

大手キャリアの家族割には「家族間通話24時間無料」が付いていることが多いですが、格安SIMをバラバラの会社にすると、この特典は基本的に使えません。 楽天モバイルのRakuten Linkのように、その会社の専用アプリ経由なら無料通話ができる場合もありますが、異なる会社同士の家族間では適用されません。

対策としては、LINE通話などの通話アプリを家族で使う、または通話料が安い会社(HISモバイルの9円/30秒など)を選んでおく、という方法があります。

光回線やセット割が組めなくなる

自宅の光回線と携帯のセット割を組んでいる場合、1人が別の会社に抜けると、その分のセット割が外れて、残る家族の割引額が変わることがあります。 乗り換え前に、現在のセット割の条件を確認してください。

請求・サポート窓口がバラバラになる

家族の契約を1つのキャリアにまとめておくと、家族カードでの一括請求や、まとめてのサポート対応ができます。バラバラにすると、契約管理や請求確認をそれぞれ別に行う必要があります。 家計簿アプリで一括管理するなど、事前に運用方法を決めておくと安心です。

キャリアメール・位置情報共有アプリへの影響

大手キャリアのキャリアメールは格安SIMでは基本的に使えなくなります(有料の持ち運びサービスがある場合もあります)。また、キャリア公式の家族位置情報共有サービスも使えなくなるため、代替アプリ(Googleファミリーリンクなど)への切り替えが必要です。

それでも「1社にまとめる」ほうがいい人

  • 家族間通話が多く、通話アプリへの移行が面倒な人
  • 請求・サポートを1つの窓口で完結させたい
  • 光回線とのセット割の恩恵が大きい

こうした場合は、UQモバイルやワイモバイルのような家族割対応の格安SIMに統一する方法も十分有力です。バラバラ運用ほどの最安にはなりませんが、大手キャリアよりは確実に安くなります。

3つの質問で選ぶ

質問1:家族の使用量にバラつきがありますか?はいならバラバラ運用が有力です。よく使う人と使わない人で最適な会社が変わります。

質問2:家族間通話や請求の一元管理を重視しますか?はいなら格安SIM1社への統一を検討してください。

質問3:光回線とのセット割を組んでいますか?はいなら、1人が抜けたときの割引額の変化を必ず事前に確認してください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 家族割をやめて格安SIMにバラバラに乗り換えると、本当に安くなりますか? 多くの場合、安くなります。大手キャリアの家族割の割引額(1回線あたり1,100円前後)より、格安SIMの基本料金自体の安さのほうが大きいためです。さらに一人ひとりの使用量に合わせて会社を変えれば、家族割対応の格安SIM1社に統一するより安くなるケースもあります。

Q2. 家族間の通話はどうなりますか? 異なる会社の格安SIMをバラバラに契約すると、大手キャリアのような「家族間通話24時間無料」は基本的に使えなくなります。LINE通話などのアプリで代替するか、通話料が安い会社を選ぶ対策が必要です。

Q3. 家族割対応の格安SIM(UQモバイル・ワイモバイルなど)にまとめるのとどちらがいいですか? 使用量が家族で近いなら1社統一でも十分安くなります。ただし使用量にバラつきがある場合は、一人ひとりに最適な会社を選ぶバラバラ運用のほうが、さらに安くなる可能性が高いです。

Q4. 光回線とのセット割はどうなりますか? 1人が別の会社に抜けると、そのセット割の条件を満たさなくなり、残る家族の割引額が変わることがあります。乗り換え前に現在のセット割の適用条件を確認してください。

Q5. 手続きが大変そうですが、一度に全員乗り換える必要がありますか? 必要はありません。使用量の差が大きい人から順番に乗り換えれば、リスクを抑えながら進められます。

Q6. 中学生や高校生の子どもの回線には何がおすすめですか? ほとんど自宅Wi-Fiで使うならpovo(維持費のみで年500円ほど)、動画やSNSを気にせず使わせたいなら楽天モバイル(無制限3,278円)が候補になります。

まとめ

家族割にこだわらず格安SIMをバラバラに選ぶと、大手キャリアの家族割と比べて年10万円以上安くなる可能性があります。

  • バラバラ運用がおすすめ:家族の使用量にバラつきがある/通話アプリへの切り替えに抵抗がない
  • 格安SIM1社への統一がおすすめ:家族間通話や請求の一元管理を重視する/光回線のセット割の恩恵が大きい
  • 注意点:家族間通話無料の喪失、セット割の消滅、請求管理の分散は事前に確認する

料金・キャンペーンは変動するため、最終確認はIIJmio公式サイト日本通信SIM公式サイト楽天モバイル公式サイトで行ってください。

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