「povoと日本通信SIM、どっちが安いの?」——どちらも維持費を極限まで下げられる格安の選択肢として、よく並べて検討される2つです。
先に結論をお伝えすると、この2つは料金の「考え方」がまったく違うため、単純な安さ比べでは決まりません。povoは基本0円で使う月だけ課金するトッピング型、日本通信SIMは毎月決まった額を払う月額固定型です。
さらに見逃せない違いがあります。povoはau直営(MNO)なので昼でも速度が落ちにくいのに対し、日本通信SIMはドコモ回線を借りるMVNOなので平日の昼に速度が大きく落ちます。
本記事では、両社の公式料金と「みんなのネット回線速度」の実測データ(いずれも2026年7月時点)をもとに、どちらを選ぶべきか、そして「併用」という選択肢まで整理します。
本記事は公式発表の料金と第三者の速度測定データに基づく比較です。料金・速度・キャンペーンは変動するため、最終判断の前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。
まず結論:povoと日本通信SIMはこう選ぶ
結論は「使い方の型で決める」です。以下のどれに当てはまるかで判断できます。
日本通信SIMが向いている人
- 毎月コンスタントにデータを使う(1枚で月額固定にしたい)
- 通話がそこそこある(月70分無料通話や5分かけ放題が込みのプランがある)
- とにかく1枚で完結させたい(トッピングの管理をしたくない)
povoが向いている人
- 月によってデータ量にムラがある(使わない月は0円で維持できる)
- サブ回線・2枚目として持ちたい(メイン回線の保険にする)
- 昼に速度が欲しい(au直営なので混雑時間帯に強い)
3つの質問で即決できます
- 毎月決まった量を1枚で使いたい? → はいなら日本通信SIM
- 使わない月は0円にしたい/サブ回線が欲しい? → はいならpovo
- 昼の速度と、通信障害への保険を両立したい? → はいなら両方の併用
基本スペックの比較一覧
まず全体像です。この2つは回線も料金体系も異なります。
| 項目 | povo | 日本通信SIM |
|---|---|---|
| 料金体系 | トッピング型(使う分だけ課金) | 月額固定型 |
| 基本料 | 0円 | 290円〜(1GB) |
| 回線 | au(MNO・直営) | ドコモ(MVNO) |
| 昼の実測速度 | 速い(MNOで混雑に強い) | 約18.68Mbps(昼に低下) |
| 通話料 | 22円/30秒 | 11円/30秒 |
| 無料通話込みプラン | なし | あり(月70分無料 or 5分かけ放題込み) |
| 事務手数料 | 0円 | 3,300円(スターターパックで圧縮可) |
| 契約の注意 | 180日ルールあり | 特になし |
| eSIM | 対応 | 対応 |
差がつくのは料金体系・速度・通話・手数料です。以下で順に見ていきます。
料金:考え方が根本的に違う
povoと日本通信SIMは、そもそも料金の設計思想が逆です。ここを理解すると選び方が一気に明確になります。
povo:使う月だけ課金するトッピング型
povoは基本料が0円で、必要なときに「トッピング」を購入して使います。主なデータトッピングは次のとおりです(2026年7月時点)。
| トッピング | 料金 |
|---|---|
| データ3GB(30日間) | 990円 |
| データ使い放題(24時間) | 330円 |
| データ120GB(365日間) | 21,600円 |
つまりデータを使わない月は0円で維持でき、旅行や出張でたくさん使う月だけ「使い放題(24時間330円)」を足す、といった柔軟な使い方ができます。
日本通信SIM:毎月決まった額の月額固定型
一方の日本通信SIMは、容量を選んで毎月同じ額を払うシンプルな料金です。
| プラン | データ量 | 月額 | 通話 |
|---|---|---|---|
| 合理的シンプル290 | 1GB | 290円 | 11円/30秒 |
| 合理的みんなのプラン | 20GB | 1,390円 | 5分かけ放題 or 月70分無料通話込み |
| 合理的50GBプラン | 50GB | 2,178円 | 5分かけ放題 or 月70分無料通話込み |
特に**20GBで1,390円(通話込み)**は、格安SIM全体で見ても屈指の安さです。毎月20GB前後を安定して使うなら、povoでトッピングを買い続けるより日本通信SIMの月額固定が安くなります。
どちらが安いかは「使い方」で決まる
例えば毎月3GBを使う場合、povoは3GB(30日)を毎月買うと月990円。日本通信SIMは1GBだと足りず、20GBプラン1,390円になります。少量を毎月コンスタントに使うならpovoが安いケースがあります。
逆に毎月10〜20GBを安定して使うなら、日本通信SIMの月額固定が有利です。povoで20GBを毎月買うと割高になり、月額固定の1,390円には敵いません。
通話:かけ放題は互角、無料通話は日本通信だけ
通話は、かけ放題オプションならほぼ互角ですが、「無料通話込みプラン」があるのは日本通信SIMだけという差があります。
| 項目 | povo | 日本通信SIM |
|---|---|---|
| 通話料 | 22円/30秒 | 11円/30秒 |
| 5分かけ放題 | 550円 | プランに込み(みんなのプラン等) |
| 完全かけ放題 | 1,650円 | +1,600円 |
| 月70分無料通話 | なし | あり(みんなのプラン等に込み) |
ポイントは2つです。
①素の通話料は日本通信SIMが半額です。povoの22円/30秒に対し、日本通信SIMは11円/30秒。かけ放題を付けずに使うなら日本通信SIMが安くなります。
②日本通信SIMは中容量プランに通話が最初から含まれます。「合理的みんなのプラン(20GB・1,390円)」には5分かけ放題または月70分無料通話が込みなので、データも通話もそこそこ使う人はこれ1つで完結します。povoは通話を使うなら別途トッピングが必要です。
通信速度:povoは昼も速い、日本通信は昼に落ちる
ここが、これまでの格安SIM同士の比較とは決定的に違う点です。povoはau直営のMNO(自社回線)なので、昼でも速度が落ちにくいのです。
日本通信SIMの実測値(みんなのネット回線速度・2026年7月時点)は次のとおりです。
| 時間帯 | 日本通信SIM |
|---|---|
| 朝 | 109.52Mbps |
| 昼(平日12時台) | 約18.68Mbps |
| 夕方 | 72.2Mbps |
| 夜 | 85.35Mbps |
日本通信SIMは朝や夜は非常に速い一方、利用者が集中する平日12時台は約18.68Mbpsまで落ちます。これはドコモ回線を借りて運用するMVNO共通の弱点です。
一方のpovoは、auの自社回線を直接使うMNOです。MVNOのように「借りた回線の一部を間借りする」構造ではないため、昼休みの混雑時間帯でも速度が落ちにくいのが強みです。
つまり、「平日の昼にストレスなく使いたい」ならpovoが明確に有利です。逆に「昼はWi-Fi環境にいることが多い」なら、日本通信SIMの昼の弱点はあまり気になりません。ここが選択の分かれ目になります。
事務手数料・初期費用:povoは0円
意外と見落とされがちですが、初期費用にも差があります。
| 項目 | povo | 日本通信SIM |
|---|---|---|
| 事務手数料 | 0円 | 3,300円 |
| 節約手段 | 不要 | スターターパックで圧縮可 |
povoは事務手数料が0円で、オンラインで完結します。初期費用をかけずに始められるのは、サブ回線として気軽に持ちたい人には大きな利点です。
日本通信SIMは通常3,300円の事務手数料がかかりますが、Amazon等で売っている「スターターパック」を使うと、この初期費用を抑えられます。契約前にスターターパックを用意しておくのがおすすめです。
povoの注意点:180日ルール
povoを選ぶなら、必ず知っておきたい注意点があります。それが180日ルールです。
povoは基本料0円で維持できますが、一定期間(180日間)、有料のトッピングを購入しないと利用停止・解約の対象になる可能性があります。完全に0円のまま放置し続けることはできません。
とはいえ、これは大きな負担ではありません。半年に1度、最も安いトッピング(データ使い放題6時間=250円)を購入すれば回避でき、年間500円で済みます。**「使わない月は0円」だが「完全放置はできない」**と理解しておきましょう。
日本通信SIMは月額固定なので、こうしたルールはありません。
3つの質問で選ぶ
ここまでの内容を、意思決定の順番に整理します。
質問1:毎月コンスタントにデータを使い、1枚で完結させたいですか? → はいなら日本通信SIM。20GB・通話込みで1,390円の月額固定は、管理も楽で安く済みます。
質問2:使わない月は0円にしたい、またはサブ回線として持ちたいですか? → はいならpovo。事務手数料0円で気軽に始められ、使う月だけトッピングを足せます。
質問3:昼の速度と、通信障害への備えを両立したいですか? → はいなら両方の併用。次章で詳しく説明します。
併用(デュアルSIM)という最適解
実は、povoと日本通信SIMは**「どちらか」ではなく「両方持つ」のが最も賢い**という考え方があります。eSIM対応スマホなら、2つの回線を1台で使い分けられます。
なぜ併用が強いのか
①弱点を補い合える:データと通話は月額固定で安い日本通信SIMをメインにし、povoは基本0円で待機。日本通信SIMが昼に遅いときや、たくさん使う日だけpovoの「使い放題(24時間330円)」を足せば、昼の速度も確保できます。
②通信障害への保険になる:ドコモ回線(日本通信SIM)とau回線(povo)という別々のキャリアの回線を持つことになるため、片方で通信障害が起きても、もう片方で通信を続けられます。
③維持コストが低い:povoは基本0円なので、併用してもメインの日本通信SIMの料金にほとんど上乗せがありません。半年に1度トッピングを買う程度で維持できます。
この「メイン=日本通信SIM/サブ=povo」の組み合わせは、低コストと安定性を両立する定番の使い方です。同じ考え方は他の格安SIMでも応用でき、日本通信SIMと楽天モバイルの併用でも解説しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 結局どっちがおすすめ? 毎月コンスタントに使い1枚で完結させたいなら日本通信SIM、使わない月は0円にしたい・サブ回線が欲しいならpovoです。昼の速度も重視するならpovo、または両方の併用が有力です。
Q2. 料金が安いのはどっち? 使い方によります。少量を毎月使うならpovo(3GB990円)、20GB前後を安定して使うなら日本通信SIM(20GB通話込み1,390円)が安くなります。使わない月がある人はpovoの0円維持が効きます。
Q3. 速度が速いのはどっち? 昼はpovoが有利です。povoはau直営のMNOで混雑時間帯に強く、日本通信SIMはドコモ回線のMVNOなので平日12時台は約18.68Mbpsまで落ちます。朝・夜はどちらも快適です。
Q4. povoの「基本料0円」は本当にずっと0円ですか? 完全に放置はできません。180日間、有料トッピングを購入しないと利用停止の対象になる可能性があります。半年に1度、最安のトッピング(データ使い放題6時間・250円)を買えば維持でき、年間500円で済みます。
Q5. 通話が多いのですが、どちらがいいですか? 日本通信SIMが有利です。通話料が11円/30秒(povoは22円/30秒)と半額で、中容量プランには月70分無料通話や5分かけ放題が込みです。povoは通話に別途トッピングが必要です。
Q6. 2枚とも契約して併用するのは難しいですか? eSIM対応スマホなら難しくありません。日本通信SIMをメイン、povoをサブに設定すれば、通信障害の保険と昼の速度確保を両立できます。povoは基本0円なので維持コストもほぼ増えません。
まとめ
povoと日本通信SIMは、料金の考え方が逆で、得意な使い方がはっきり分かれる2つです。
- 日本通信SIMがおすすめ:毎月コンスタントに使う/1枚で完結させたい/通話がそこそこある/月額固定で管理したい
- povoがおすすめ:使わない月は0円にしたい/サブ回線が欲しい/昼の速度が欲しい/事務手数料0円で気軽に始めたい
- 迷うなら併用:メイン=日本通信SIM、サブ=povo。低コストのまま昼の速度と通信障害の保険を両立できる
povoは昼も速いau回線、日本通信SIMは月額固定の安さ。この違いを押さえれば、あなたの使い方に合うほうが見えてきます。
料金・速度・キャンペーンは変動するため、最終確認はpovo公式サイト・日本通信SIM公式サイトで行ってください。
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