「日本通信SIMって、やばいの?」——月290円から使える料金の安さゆえに、かえって不安になって検索する人が多いSIMです。

先に結論をお伝えすると、「やばい」には正反対の2つの意味があり、どちらも事実です。

  • 良い意味での「やばい」:20GB+5分かけ放題が1,390円。しかもこの安さは、ドコモに対して総務大臣裁定を勝ち取って実現させたもので、裏のあるダンピングではありません
  • 悪い意味での「やばい」:平日12時台の速度低下(実測18.68Mbps)、データ繰り越しなし、海外ローミング相当なし

つまり、「怪しいから危ない」という意味ではやばくないが、使い方が合わない人には本当に使いにくいSIMです。本記事では両方の「やばい」を公式情報と第三者データで検証し、向く人・向かない人の条件と、合わなかった場合の乗り換え先を実額で示します。

本記事は公式発表の情報と第三者の速度測定データに基づく解説です。料金・速度・キャンペーンは変動するため、最終判断の前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。

補足:「日本通信株式会社」と検索した場合 本記事は格安SIMサービス「日本通信SIM」の評判を扱っています。運営元の日本通信株式会社は東京証券取引所に上場しており、株価や決算の話題で「やばい」と検索されることもありますが、本記事では投資の話は扱いません(当サイトは投資助言を行いません)。

結論:日本通信SIMが「やばい」かどうかは使い方で決まる

判定 こんな人
むしろ最適 月1〜4GBの小容量/20GB・50GBを通話込みで安く使いたい/昼はWi-Fi中心
やばい(向かない) 平日の昼休みにモバイル回線で動画を見る/余ったデータを繰り越したい/海外で頻繁に使う/100GB近く使う

「安すぎて怪しい」という不安は、後述する安さの理由を知れば解消できます。一方で**「平日昼の速度」は構造的な弱点なので、気になる人は最初から別のSIMを選ぶほうが確実**です。

「やばい」と言われる理由① 安すぎて怪しい → 安さの正体は「ドコモに勝った実績」

ここが本記事で最も伝えたい部分です。日本通信SIMの安さには、明確で検証可能な理由があります。

日本通信は、格安SIM(MVNO)という業態の草分け的な存在で、東京証券取引所に上場している企業です。旅行会社H.I.S.との合弁で「HISモバイル」も運営しており、HISモバイルは日本通信のネットワーク基盤をそのまま使っています。

総務大臣裁定でドコモの音声卸料金を下げさせた

格安SIM各社は、大手キャリアから回線を借りて(卸してもらって)サービスを提供しています。この卸価格が高ければ、どんなに企業努力をしても料金は下げられません。

日本通信はここに切り込みました。

  1. 2014年4月から5年以上にわたり、ドコモと音声通話の卸価格について協議を継続。しかし合意に至らず
  2. 2019年11月、電気通信事業法に基づいて総務大臣に裁定を申請
  3. 2020年2月、総務相がドコモに値下げを求める裁定案を提示(原価に基づく算定を要求)
  4. 2020年6月30日、総務省が正式に裁定を公表。裁定には法的拘束力があり、通話回線の卸料金は従来の半額程度に

つまり、日本通信の通話料11円/30秒(大手の約半額)は、行政の裁定を勝ち取って実現した原価ベースの価格です。「安すぎて怪しい」のではなく、他社が交渉しなかった部分に踏み込んだ結果の安さだと理解するのが正確です。

現在の料金

プラン データ容量 月額(税込) 通話
合理的シンプル290 1GB(+220円/GB) 290円〜 11円/30秒
合理的みんなのプラン 20GB 1,390円 5分かけ放題 or 月70分無料通話込み
合理的50GBプラン 50GB 2,178円 同上

特に20GB=1,390円で5分かけ放題まで込みという条件は、大手サブブランドと比べても群を抜いて安い水準です。安さの代わりに削っているのは、店舗・昼の帯域・付加サービスであり、品質を偽っているわけではありません。

良い意味での「やばい」:料金据え置きでデータを2倍にした実績

もう一つ、「やばい(すごい)」と言われる理由があります。値上げが続く業界で、逆に料金据え置きのまま容量を2倍にしたことです。

2024年9月18日、日本通信は以下の増量を発表し、9月30日から適用しました。

プラン 変更前 変更後 月額
合理的みんなのプラン 10GB 20GB 1,390円(据え置き)
合理的30GBプラン → 50GBプラン 30GB 50GB 2,178円(据え置き)

しかも既存契約者も手続き不要で自動的に増量されました。2026年に入ってからワイモバイル・mineo・IIJmioなどで値上げが相次いでいる(格安SIM「改悪」まとめ2026)ことを踏まえると、この方向性は際立っています。

「やばい」と言われる理由② 平日昼が遅い → 事実です(12時台は18.68Mbps)

これは本当の弱点です。日本通信SIMの実測値(みんなのネット回線速度・直近3ヶ月/2026年7月時点)では、朝の186.88Mbps・深夜の168.05Mbpsに対し、平日12時台は18.68Mbpsまで落ち込みます。

18Mbps前後あればSNSやWeb閲覧はおおむね問題ありませんが、混雑のタイミングによってはさらに遅く感じることもあります。これはドコモから回線を借りて運用するMVNO共通の構造的な弱点で、日本通信だけの問題ではありません。

  • 昼はオフィスや自宅のWi-Fi → ほぼ気にならない
  • 昼休みに外でモバイル回線で動画・ゲーム → 不満が出やすい。キャリア系(ahamoなど)が候補

ahamoとの具体的な違いは「ahamoと日本通信SIMどっちがいい?」で詳しく比較しています。

「やばい」と言われる理由③ 地味に不便な仕様 → 繰り越しなし・海外なし・50GB上限

料金以外で、契約後に「思っていたのと違う」となりやすい仕様がこちらです。

  • データ繰り越しに非対応:余ったデータは翌月に持ち越せません。
  • 海外ローミング相当のサービスがない:ahamoのように「海外でもそのまま30GB」という使い方はできません。
  • 50GBが定額プランの上限:超過分は1GBあたり220円の追加になるため、100GB近く使う人はahamo(大盛り110GB=4,950円)のほうが安くなるケースがあります。
  • 5〜10GB帯が割高:段階制のため、6GBで1,390円まで上がります(この帯は兄弟会社のHISモバイルが安く、2026年9月の新プランで10GB=1,299円になりさらに差が開きました)。

どれも公式に明示されている仕様なので、事前に知っていれば「やばい」とはならないポイントです。

評判・口コミの傾向:不満と満足がきれいに分かれる

日本通信SIMの評判は、「昼に外でどれだけ使うか」でほぼ二極化するのが特徴です。同じサービスなのに評価が割れるのは、この一点が合うかどうかで体験がまったく変わるためです。

不満が集まりやすいポイント

  • 平日の昼が遅い:最も多い不満。12時台の実測は18.68Mbpsで、混雑時はさらに落ちることがあります
  • 繰り越しがない:余ったデータが翌月に持ち越せず、「使い切らないと損」という感覚になります
  • サポートがオンライン中心:店舗で対面相談ができないため、設定に不安がある人には不向きです
  • 申し込み時の手続き:eSIM・MNPまわりの設定を自分で進める必要があります

満足の声が集まりやすいポイント

  • とにかく安い:20GB+5分かけ放題で1,390円という水準は、他社と比べたときの満足度が高くなります
  • 通話料の安さ:11円/30秒は大手の約半額で、通話が多い人ほど効いてきます
  • プランが分かりやすい:1GB・20GB・50GBの3段階だけなので、選ぶ段階で迷いません
  • 値上げしない姿勢:前述のとおり、料金据え置きでの増量実績があります

評判を読むときの注意点

口コミを探すときは、「いつの情報か」と「どこで使っているか」を必ず確認してください。

  • 2024年9月より前の口コミは、10GB=1,390円だった時代のものです。現在は20GBなのでコストパフォーマンスの評価が変わります
  • 速度の体感は、利用する場所・時間帯・端末で大きく変わります。「遅い」という口コミの多くは平日昼の話で、朝晩は186Mbps前後出ているという測定結果もあります

「昼はWi-Fiがある環境にいる」人であれば、不満点の多くは当てはまりません。逆に「昼に外で動画を見る」人は、口コミの不満がそのまま自分の体験になります。

日本通信SIMが向いていない人の乗り換え先

「自分は向かない側だった」という人向けに、弱点別の乗り換え先をまとめます。

当てはまる弱点 乗り換え先の候補 理由
月5〜10GBで割高 HISモバイル 同じ日本通信の回線で7GB=990円・10GB=1,299円。速度はほぼ同等のまま安くなる
端末も一緒に安く買いたい IIJmio 端末セット販売が充実
データ無制限・海外でも使いたい 楽天モバイル 3,278円で無制限。サブ回線として日本通信と併用する手もある
平日昼も速度を落としたくない ahamo キャリア回線そのままで昼も安定

特にHISモバイルは、日本通信と同じネットワークを使う兄弟サービスです。速度・エリアの感覚は変わらず、料金体系だけを乗り換えられます。さらに2026年9月17日に新プラン「自由自在3.0」が施行され、**10GB=1,299円・20GB=1,699円・30GB=1,999円(20GB・30GBは6分かけ放題込み)**まで値下げされました。中容量帯でも有力な選択肢です。

各社との詳しい比較は、以下の記事で解説しています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 日本通信SIMは怪しい会社ですか? いいえ。日本通信は東京証券取引所に上場している企業で、格安SIMの草分け的な存在です。H.I.S.との合弁でHISモバイルも運営しています。

Q2. なぜこんなに安いのですか? 最大の理由は、2020年6月の総務大臣裁定でドコモの音声卸料金を引き下げさせたことです。日本通信は2019年に電気通信事業法に基づく裁定を申請し、法的拘束力のある裁定を勝ち取りました。これにより通話回線の卸料金が従来の半額程度になり、通話料11円/30秒が実現しています。加えて、店舗を持たないオンライン中心の運営でコストを抑えています。

Q3. 日本通信SIMの一番のデメリットは? 平日12時台の速度低下です。第三者の計測では、朝の186.88Mbpsに対して12時台は18.68Mbpsまで落ちます(2026年7月時点)。

Q4. 評判が悪いのは本当ですか? 「昼が遅い」「繰り越しがない」という不満は実際にあります。一方で「安い」「通話料が半額」「プランが分かりやすい」という評価も多く、評判は「昼に外でどれだけ使うか」でほぼ二極化します。なお2024年9月より前の口コミは10GB=1,390円だった時代のもので、現在は20GBに増量されている点に注意してください。

Q5. 日本通信は値上げしませんか? 将来を保証することはできませんが、2024年9月には料金据え置きのままデータを2倍に増量(10GB→20GB、30GB→50GB)し、既存契約者にも手続き不要で自動適用した実績があります。値上げが相次ぐ業界の中では珍しい方向性です。

Q6. 日本通信SIMとHISモバイルは何が違いますか? 同じ日本通信のネットワーク(ドコモ回線)を使うため速度はほぼ同じで、違いは料金体系と通話料です。月5〜10GBならHISモバイル、1〜4GBと11GB以上なら日本通信SIMが安くなります(2026年9月のHIS新プラン「自由自在3.0」施行後の基準)。

Q7. 初期費用を安くする方法は? Amazonで販売されている「スターターパック(NT-ST2-P)」を経由して申し込むと、初期費用を抑えられます。

まとめ

  • 「やばい」には正反対の2つの意味があり、どちらも事実
  • 良い意味:20GB+5分かけ放題で1,390円。しかもこの安さは2020年の総務大臣裁定でドコモに卸料金を下げさせた結果で、裏のある安さではない。2024年には料金据え置きでデータ2倍増量の実績も
  • 悪い意味(本当の弱点):平日12時台の速度低下(18.68Mbps)/データ繰り越しなし/海外ローミング相当なし
  • 向いている人:月1〜4GB、または20GB・50GBを通話込みで安く使いたい人、昼はWi-Fi中心の人
  • 向いていない人の乗り換え先:5〜10GBならHISモバイル、端末セットならIIJmio、無制限なら楽天モバイル、昼の速度重視ならahamo

料金・キャンペーンは変動するため、最終確認は日本通信SIM公式サイト・HISモバイル公式サイトで行ってください。

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